阪神淡路大震災当時初動で使われた大阪空港(伊丹空港) - Blue Sky Love Sky

『9月4日、非常に強い勢力を保ったまま、大阪を中心として近畿地方に上陸し、各地に大きな被害をもたらした台風21号。中でも大きなダメージを受けたのが、大阪府泉佐野市の海上に浮かぶ関西国際空港だ。

非常に強い風の影響で防潮堤を乗り越えた高潮によって、主力である第1ターミナルのほぼ全域が冠水。停電も発生した。近くに停泊していたタンカーが流されて連絡橋にぶつかり、自動車専用道路が大きくずれたほか、鉄道の線路も損傷した影響で、大勢の利用客が空港内に取り残される事態となり、空港の機能が一時は完全に停止してしまった。

関空は台風上陸から3日後の9月7日(金)には、損傷の少なかった第2ターミナルとB滑走路を使って運航を再開した。同空港を拠点とするLCC(格安航空会社)のピーチ・アビエーションは9月10日(月)時点で同空港発着の33便のうち32便を運航。全日本空輸ANA)は上海便、日本航空JAL)は羽田便、中国の春秋航空も数便を飛ばし、一部の貨物便も運航している。

ところが、それ以外に旅客便の運航は再開されていない。タンカー衝突の影響による交通アクセスの問題は小さくないが、より深刻なのは第1ターミナルに生じた甚大な被害だ。・・・』9月21日付東洋経済に掲載された鳥海高太朗帝京大学非常勤講師の「関空第1ターミナル?深刻すぎる被害の実態」と題した論考の一節です。関空の台風被害が大きかったことを記述しています。

『台風21号の影響で関西国際空港の機能が一部停止したことを受け、大阪(伊丹)と神戸の両空港では兵庫県を中心にした地元自治体の決断で急遽代替便の受け入れ態勢が整えられたが、19日までに両空港に振り分けられたのは伊丹は1日十数便、神戸は計2便にとどまり、いずれも国内線となっている』9月20日産経新聞に掲載された関空被災に伴う兵庫県の対応に対して関空の航空機が期待通り振り向けられなかったとする記事の抜粋です。

今回の教訓を活かして、平素から協定を結んでおき、事態の発生と共に直ちに振り分けることが出来るようにしておくことが重要だと思います。関西圏全体の発展と市民の安全確保の為であることを知るべきであり、一部市民による離着陸反対の動きに対しては、事前に十分検討しておき、事態の発生に即応して3空港が相互に協力協定を結んでおくべきだと思っています。阪神淡路大震災当時も伊丹空港は、初動における国際社会からの救援の拠点の一つ(写真)になった事を忘れてはいけないと思います。

重ねて申し述べますが、国・関西圏の物流拠点としての経済的な繁栄と大規模災害時などの救命救助拠点としての価値を市民がよく認識して、予め空港・港湾などの運営に必要な協定を結んでおき、それに基づく対応行動を定期的に訓練しておく事が重要だと思います。