政府は高齢者向けの住宅が必要だ ( 政党、団体 )

Aさん(87歳)夫婦の話だが、家を建ててから27年になる。ローンを組んでいるが、まだ数年分残っている。今年の春先、ガスの給油器が壊れた。買い変えなければならない。ガス会社に相談すると40万8000円だという。そんな金が年金者には余分に出せない。仕方なく子どもたちに相談をして、年金支給日に10万円ずつ返すことで借金し、取り付けてもらう。ところが今度は水道がだめになる。風呂を沸かすのに水を出していると、台所で天井から水が落ちだした。それだけでなく二階もどこからともなく水が廊下に溢れ出した。早速水の元栓を締めだが、水をふき取るのに大汗をかいた。風呂も洗濯もダメになった。検査をしてもらうのだが、Aさんは「築27年で家はダメになり、どうすればいいのかわからない」と嘆いていた。

Aさんは定年と同時に家を建て替えた。退職金の半分をつぎ込み後の半分はローンを組んだ。そのローンがすまないうちに、このようなざまだと嘆いていた。

マスコミでは安倍ノミクスだ、景気はよくなっているといっているが、そのような恩恵を受けている人もいるだろうが、その反面Aさんのように苦しんでいる人も多い。

Aさんは借家でもと賃貸業者へ行ったが、高齢者夫婦にはなかなか借れるようなところがない。なぜかと聞くと「家賃の支払いに不安」「部屋の中での死亡事故の心配」といわれる。それに年金だけの生活に家賃を支払う金の出所がない。

これはAさんだけの問題ではない。政府が発表している65歳以上の人口は3529万人(18年2月)、総人口の28.3%に当たる。その中で老老所帯も多く、住宅問題も深刻な問題になる可能性がある。

60年代あるいは70年代なら公営住宅が建っていたが、現在は余り聞かない。政府は統計を取るだけでなく、高齢者にたいする住宅問題にも眼を向けるべきだ。低家賃の高齢者向け住宅が必要だ。